おカネを貯める・増やす
リスクとリターンの関係を知ろう
スーパーに行って卵をたくさん買ったら、みなさんはどうやって運びますか?買ったすべての卵を1つの袋に入れて運んだ場合、たとえばつまずいて転んで袋を落とせば、ほとんどの卵が一気に割れてしまうことになります。
袋をいくつかに分けて卵を運べば、たとえ1つ落としても他の袋の卵は無事です。これは、リスクは分散することで減らしましょうということわざで、「卵は1つのかごに盛るな」といわれます。
これをお金の運用に置きかえると、卵はわたしたちの「お金」といえます。
では、かごは何になると思いますか?かごは、そのお金を運用する「金融商品」や、お金を投じる「時間」ということができます。
お金を運用する金融商品や時間を1つにしないことで、卵をなるべく割らないようにする、つまり、運用のリスクを減らすことができる、といわれているのです。
運用のリスクを減らす2つの方法、「運用する対象の金融商品を分散する方法」と「お金を投じる時間を分散する方法」について詳しく見ていきましょう。
まず、お金を1つの金融商品だけで運用するのではなくいくつかに分けて運用する方法について考えてみましょう。
運用する対象を分散する方法の1つは、リスクとリターンの関係が違う預金、債券、株式などの金融商品を組み合わせて運用することです。
もう1つの方法は、同じ金融商品でも違う種類のものを組み合わせて運用することです。
たとえば、お金を株式で運用する場合、車メーカーの株式だけを持つのではなく、食品会社やケータイ会社などの株式を組み合わせて持つということです。
もし、車の販売が伸び悩んで車メーカーの株式が下がり、食品の売上げが好調で食品会社の株が上がったとしたら、お金を2つの株式に分散させて運用していた方がお金の減るリスクを少しでも避けられるということが分かりますよね。
お金を投じる時間を分散させるというと、少しイメージしづらいかもしれませんが、株式などのように値段の動きが大きい金融商品を買って40万円を運用する場合、1回で全てのお金を投じるのではなく、タイミングをずらして1回5万円ずつ合計8回に分けてお金を投じることにより、運用のリスクを減らすというものです。
具体的に下の例をみて考えてみましょう。
Bさんは1月に40万円の株式をまとめて買いましたが、Aさんは1月から8月の間に毎月5万円ずつ合計40万円の株式を買いました。株価は表のように8カ月の間に上がったり下がったり動いているので、Bさんはお金を投じたそのときの値段で5万円分の株式を買ったことになります。
8カ月目に、AさんとBさんそれぞれが買った株式の数とその株式の評価金額を比べたところ、時間を分散したAさんの方が多くの株式を買え、その評価金額も上がっていたという結果になりました。
この方法が常に効果があるとは限りませんが、どんな値動きをするか分からない金融商品でお金を運用するときに、リスクを減らすことができるといわれています。
「卵は1つのかごに盛るな」というようなお金や運用に関することわざを、「投資の格言」といいます。他にどんなものがあるか調べて意味を考えてみましょう。(大和証券のサイトを見る)
証券会社や銀行などの金融機関で売っている商品のこと。代表的な商品として預金、株式、債券、投資信託、保険などがあります。
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保有している株式や債券などの資産を、その時点の価格(時価)で評価した場合の金額をいいます。
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